文学その6

『青空文庫』にある作品を『Google Translate』で英訳してみました。

文芸的な、余りに文芸的な:芥川 龍之介(229-276)/1532

僕は「しやべるやうに書きたい」願ひも勿論持つてゐないものではない。 Of course, I do not have a wish that I want to write as soon as possible. が、同時に又一面には「書くやうにしやべりたい」とも思ふものである。 However, at the same time, on t…

文芸的な、余りに文芸的な:芥川 龍之介(182-228)/1532

(あらゆる芸術的活動を意識の閾の中に置いたのは十年前の僕である。) (It was me ten years ago that put all artistic activities within the threshold of consciousness.) しかしこの一点はたとひ作家自身は意識しないにもせよ、確かに同氏の作品に独特…

文芸的な、余りに文芸的な:芥川 龍之介(135-181)/1532

今この言葉を機縁にし、最も純粋な作家たちの一人、――志賀直哉氏のことを論ずるつもりである。 Now with this word in mind, I'm going to discuss one of the purest writers, Naoya Shiga. 従つてこの議論の後半はおのづから志賀直哉論に変化するであらう…

文芸的な、余りに文芸的な:芥川 龍之介(91-134)/1532

この「構成する力」の問題はまだ何十行でも論ぜられるであらう。 ➤ Dozens of lines still discuss the issue of "composing power". しかしその為には谷崎氏の議論のもう少し詳しいのを必要としてゐる。 However, for that purpose, we need a little more …

文芸的な、余りに文芸的な:芥川 龍之介(50-90)/1532

僕はけふ往来に立ち、車夫と運転手との喧嘩を眺めてゐた。 I stood on the street and watched the fight between the car owner and the driver. のみならず或興味を感じた。 Not only did I feel some interest. この興味は何であらう? What is this inte…

文芸的な、余りに文芸的な:芥川 龍之介(1-49)/1532

文芸的な、余りに文芸的な Literary, too literary 芥川龍之介 Ryunosuke Akutagawa 一 「話」らしい話のない小説 A novel without a story-like story 僕は「話」らしい話のない小説を最上のものとは思つてゐない。 I don't think a novel without a "story…

邪宗門:芥川 龍之介(767-804)/804

これもあると思えばあり、ないと思えばないような幻ではございます。 It's an illusion that if you think there is this, and if you do not think so. が、その宙を踏んで飛舞する容子は、今しも摩利信乃法師の脳上へ、一杵を加えるかと思うほど、神威を帯…

邪宗門:芥川 龍之介(734-766)/804

三十一 31st すると摩利信乃法師は傲然と、その僧たちの方を睨めまわして、 Then Nobino Mori shouted at the monks, looking at the priestly, 「過てるを知って憚る事勿れとは、唐国の聖人も申された。 "The saints of Tang Dynasty were also told that i…

邪宗門:芥川 龍之介(706-733)/804

それから、廊に囲まれた御庭の池にはすきまもなく、紅蓮白蓮の造り花が簇々と咲きならんで、その間を竜舟が一艘、錦の平張りを打ちわたして、蛮絵を着た童部たちに画棹の水を切らせながら、微妙な楽の音を漂わせて、悠々と動いて居りましたのも、涙の出るほ…

邪宗門:芥川 龍之介(683-705)/804

元より薄色の袿と申しましても、世間に類の多いものではございますが、もしやあれは中御門の姫君の御召し物ではございますまいか。 Even if I call it a light-colored Tsubaki, it is a world-class item, but isn't it a servant of the Princess of Nakam…

邪宗門:芥川 龍之介(653-682)/804

「やい。 "Yeah. おのれらは勿体なくも、天上皇帝の御威徳を蔑に致す心得か。 Even if it's not a matter of course, are they good enough to despise the virtue of Emperor Tenjo? この摩利信乃法師が一身は、おのれらの曇った眼には、ただ、墨染の法衣の…

邪宗門:芥川 龍之介(620-652)/804

「あれか。」 "That?" 私は覚束ない声を出して、何と云う事もなくこう問い返しました。 I made a confused voice and asked back without question. 実際その時の私には、まだ摩利信乃法師を殺そうとも、殺すまいとも、はっきりした決断がつかずにいたのでご…

邪宗門:芥川 龍之介(588-619)/804

「さあ。 "here we go. そこです。 there. 姫君の思召しも私共には分りませんし、その上あすこには平太夫と云う老爺も居りますから、摩利信乃法師が西洞院の御屋形に立寄るのは、迂闊に邪魔も出来ません。 I can't understand the princess's thoughts, and …

邪宗門:芥川 龍之介(551-587)/804

と思えば紅の袴の裾に、何やら蠢いているものの姿が見えた。 When I thought about it, I could see what was writhing on the hem of the crimson hakama. それが袴の裾ばかりか、よう見るに従って、肩にも居れば、胸にも居る。 It's not only the skirt of…

邪宗門:芥川 龍之介(510-550)/804

平太夫一生の内に、これほど嬉しい事はございません。」 I have never been so happy during the lifetime of Taira Tayu. " 「いや、予が前で神仏の名は申すまい。 "No, I don't know the name of the Shinto buddha. 不肖ながら、予は天上皇帝の神勅を蒙っ…

邪宗門:芥川 龍之介(477-509)/804

「いや、何とも申されぬ。 "No, nothing is said. 現に延喜の御門の御代には、五条あたりの柿の梢に、七日の間天狗が御仏の形となって、白毫光を放ったとある。 In fact, it is said that the tengu in the shape of the persimmon around Gojo gave a white…

邪宗門:芥川 龍之介(430-476)/804

「何と、爺もそう思うであろうな。 "What a grandfather would think so. もっともその方には恋とは申さぬ。 However, I do not propose love to that person. が、好物の酒ではどうじゃ。」 But how about your favorite sake? " 「いえ、却々持ちまして、…

邪宗門:芥川 龍之介(391-429)/804

しかしその御文は恙なく、御姫様の御手もとまでとどいたものと見えまして、珍しくも今度に限って早速御返事がございました。 However, the text did not seem to have arrived, and it seemed that it had reached the hands of the princess, and although …

邪宗門:芥川 龍之介(361-390)/804

「その代りその方も、折角これまで参ったものじゃ。 "Instead, that person has been here so far. 序ながら予の文を、姫君のもとまで差上げてくれい。 First of all, please give me the sentence of Yoh to the princess. よいか。 Are you okay? しかと申…

邪宗門:芥川 龍之介(324-360)/804

巷の風聞にも聞き及んだが、そやつは日頃予に恨みを含んで、あわよくば予が命を奪おうなどと、大それた企てさえ致して居ると申す事じゃ。 I've heard that there's a lot of public opinion, but he says that he usually makes a grudge against Yo, and if…

邪宗門:芥川 龍之介(267-323)/804

「さらば御命を申受けようず。」 "Farewell, don't ask for your life." と罵ったと申すではございませんか。 Do you say that you have abused? 十四 fourteen しかしあの飽くまでも、物に御騒ぎにならない若殿様は、すぐに勇気を御取り直しになって、悠々…

邪宗門:芥川 龍之介(244-266)/804

そう云う勢いでございますから、日が経るに従って、信者になる老若男女も、追々数を増して参りましたが、そのまた信者になりますには、何でも水で頭を濡すと云う、灌頂めいた式があって、それを一度すまさない中は、例の天上皇帝に帰依した明りが立ち兼ねる…

邪宗門:芥川 龍之介(220-243)/804

「やあ、阿父さんが、生き返った。」 "Hey, Ada is back to life." 童部は竹馬を抛り出すと、嬉しそうに小躍りして、また父親の傍へ走りよりました。 When Dobe pulled out the stilts, he jumped happily and ran to his father again. が、その手で抱き起…

邪宗門:芥川 龍之介(176-219)/804

ましてその天上皇帝の遺された、摩利信乃法師に笞を当つるものは、命終の時とも申さず、明日が日にも諸天童子の現罰を蒙って、白癩の身となり果てるぞよ。」 Furthermore, the one who wins the shrine of the Emperor Tenjo's remains, Shinobu Nori, will …

邪宗門:芥川 龍之介(149-175)/804

何でも私が人伝に承わりました所では、初めはいくら若殿様の方で御熱心でも、御姫様は反って誰よりも、素気なく御もてなしになったとか申す事でございます。 Whatever I accepted in the biography, at the beginning, I would like to say that no matter h…

邪宗門:芥川 龍之介(128-148)/804

実は姫の方からも、心ありげな風情を見せられるので、ついつい足が茂くなるのだ。」 In fact, even the princess can show a heartfelt atmosphere, so her legs suddenly grow thicker. " と、こう御逃げになりました。 And I escaped like this. しかもそ…

邪宗門:芥川 龍之介(105-127)/804

六 Six その御話のそもそもは、確か大殿様が御隠れになってから、五六年たった頃でございますが、丁度その時分若殿様は、前に申しあげました中御門の少納言様の御一人娘で、評判の美しい御姫様へ、茂々御文を書いていらっしゃいました。 In the first place,…

邪宗門:芥川 龍之介(77-104)/804

「父上、父上、そう御腹立ち遊ばすな。 "Father, dad, don't play like that. 牛飼めもあの通り、恐れ入って居るようでございます。 It seems that the cows are also afraid, and they are afraid. この後とも精々心にかけましたら、今度こそは立派に人一人…

邪宗門:芥川 龍之介(43-76)/804

と、やさしく御慰めになったそうでございます。 He said he was kind to you. ところがそれから半月とたたないある日の事、中御門の少納言は、堀川の御屋形の饗へ御出になった帰りに、俄に血を吐いて御歿りになってしまいました。 However, half a month lat…

邪宗門:芥川 龍之介(23-42)/804

が、大殿様と若殿様とが、取り分け違っていらしったのは、どちらかと云えば、御気象の方で、大殿様のなさる事は、すべてが豪放で、雄大で、何でも人目を驚かさなければ止まないと云う御勢いでございましたが、若殿様の御好みは、どこまでも繊細で、またどこ…